保育園の選考結果が発表されるこの季節、「保育園落ちた日本死ね!!!」とはてなに投稿された書き込みを巡って、テレビでもとりあげられ、インターネットでも騒ぎになっています。
↓ はてなに投稿された原文【上記リンクから一部抜粋】何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。金があれば子供産むってやつがゴマンといるんだから取り敢えず金出すか子供にかかる費用全てを無償にしろよ。
不倫したり賄賂受け取ったりウチワ作ってるやつ見繕って国会議員を半分位クビにすりゃ財源作れるだろ。
まじいい加減にしろ日本。
感情に任せて書き込んだのだと思われますが、なかなかテンポのよい惹きつける文章で、ブログを書いている割に文章力がない私はちょっと羨ましかったです。(表現は過激すぎるけど…)
情報番組『とくダネ!』では、書き込んだ本人に直撃。
投稿者は都内に住む30代前半の女性で、3月で1才になる息子さんがいて、育児休暇が終わって働こうとしたら保育園に落ち、「理不尽さを感じて」独り言のつもりで投稿したそうです。
激しい乱暴な言葉が並び、「日本死ね」というは表現はちょっとどうかと思いますが、相当追い詰められた末の発言だからかなぁ・・・・
まぁ、これくらい過激じゃないと話題にもならなかったでしょうし。。
私の友人は保育園の延長保育に入れなくて、区役所の保育課で「残業できなきゃ総合職の仕事にならんのに、こんなんじゃ、子どもなんか産むんじゃなかったぁぁ。」と叫んだと言ってたのを思い出しました。
言葉は乱暴だけど、保活に苦しむワーキングマザーが共感できる部分も大きいからこそ、ここまで話題になったのでしょう。
1. 保活の厳しさ
保活の世界は完全に「点数制」。激選区では、夫婦フルタイム共働き、祖父母近居なしが最低ラインで、そこから認可外に既に預けているとか、兄弟加点とかがないと厳しいことも多いです。
私も激選区の東京都大田区に住んでおり、1才4月入園は競争が激しすぎて厳しかったので、0才4月から保育園に預けて働いています。
それでも、0歳4月では認可保育園には入れず、月に八万円くらいの認可外保育園(認証保育園)に1年間通わせ、その認可外加点でようやく1才4月で認可保育園に入れました。
0才4月入園ができたのも、二人の子供が早生まれでないからできたのです。
この投稿者の方のようにお子さんが早生まれの場合、そもそも前年12月くらいには締め切る認可保育園の一次申込に間に合わないので、0才4月入園という選択肢は初めから厳しいのです。
赤ちゃんは4月~6月くらいに産みたいというワーキングマザーもいるくらい、もはや赤ちゃんは授かりものではなく、保活を考えながら産む時期まで考えなければいけないのか?という異常な状態です。
2. 一億総活躍社会
もともと、安倍内閣は「一億総活躍社会」を掲げ、「希望出生率1.8の実現」「介護離職ゼロ」の目的達成を目指しています。
安倍晋三首相は今年1月の国会で待機児童数増が指摘されると、「働く女性が増えたから無理もない。うれしい悲鳴である」と言ったらしいのです。
おぼっちゃまには庶民の痛みが分からないのでしょうか?
- 家計のために働かなければならないのに保育園が見つからない
- 待ってくれている会社・同僚に対して保育園が見つからないのが理由とはいえ、復職できない心苦しさ
- 園庭もないせまい認可外保育園に預けて働くも、時短勤務で手元にはほとんどお金が残らない
- 育児休暇を取得できるような正社員のポジションは一旦手離すと日本では復活は難しい
こんな庶民の気持ちが分からず、選挙のために高齢者に三万円ばらまいたり、「本当に私たちを活躍させる気あるの?」と言いたくなりますね。。
3. 「保育園落ちた 日本死ね!!!」への反響
この投稿を巡り、テレビに取り上げられただけではなく、インターネットにおいてもいろいろ著名人がコメントしていますので、あわせてご紹介します。
①前横浜市長の中田宏さん
「保育園は市長が担当なのであえて言う」【上記リンクから一部抜粋】保育園にまつわる問題は矛盾を感じます。
十分に働いて納税している人の子供ほど入れないのです。市長すなわち保育園施策の基礎自治体責任者の経験としては、「事前にしっかり保育園の空き状況を調べて欲しい」と思っていました。
横浜市は待機児童ゼロを目指してそれを達成したけど、それがニュースになると多くの方が引っ越してきてまた保育園が足りなくなったそうです。
保育園がすでに埋まっている地域に引っ越してきて「保育園に入れない!」と騒がれるケースがたびたびあったとのこと。。
でも、家を買っている人とかどうすればいいのでしょうか・・・・全てを保育園中心に回すのは難しいし、そもそも12月の応募段階での倍率は応募が終わってしまわないと分からない。。。
大田区でもあったのですが、昨年は22点で入れた(夫婦フルタイム)のに、翌年は23点がボーダーライン(夫婦フルタイム+兄弟加算)になって入れなかったというケースもあるし、4月入所がどうなるかなんて、正直蓋を開けてみなければ分からないと思います。
②NPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹さん
「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由【上記リンクから一部抜粋】認可保育所に申し込む人が多かろうが、それ以上に保育所つくれば良いじゃんか、と。
その通りです。しかし、そんなに機動的に保育所をつくれない、3つの要因があります。①予算の壁
保育士不足は保育士の処遇が低いことが要因です。②自治体の壁
自治体が独自の無意味なルールを勝手につくって、それが参入障壁を上げています。③物件の壁
保育所は二方向避難路の確保や新耐震基準を満たしているなど、安全に運営するために必要な要件がどうしても多くなります。それを満たしていて、かつ周辺住民が文句を言わず、かつ保育所としてペイする坪単価で、駅からの距離がそこまで遠くない物件というのは、非常に限りがあります。ではどうする?
怒りましょう。僕たちは怒って良い。予算配分は不当だし、このままだと少子化も進行し社会保障も危機になり、それは将来、可愛い我が子たちの生活を直撃するでしょう。そして怒りを原動力に、行動しましょう。
まず、政府に対しては、保育士給与引き上げのための、予算増額の世論を高めることです。また、自治体に対しては、とにかく文句を言うべきです。
「保育士給与引き上げ」には賛成ですし、保育園の先生方の責任の重い体力も必要なお仕事ぶりを見ているので、「保育士給与引き上げ」署名などには参加しております。
しかし、安保闘争の時代の方々みたいに、「自分が日本を変える」というような熱い思いがこみ上げてこないというか、「自分一人が何か言っても国は変わらないよ」みたいな諦めが私の中にはあるんですよね。。。
他を変えようとしても難しいから、自分がその与えられた所与の条件の中、どのように対応していくか、処世していくかって感じにしか考えられないんですよね。
そういう意味で、数年前の「杉並保育園一揆」のように行動にちゃんと出れる方々もいるので、世代の問題ではないのかもしれませんね。
今回の「保育園落ちた日本死ね!!!」は、表現は過激でしたが、「杉並保育園一揆」と同様に現在の待機児童問題に一石を投じており、今後の動きも見守っていきたいと思います。
コメント
保育園に預けることが前提なのが解かりません。
私が、九州の片田舎にいるからかもしれませんが、
じちゃん、ばあちゃん、それでも足り無ければ近所ぐるみで
子育てすれば、良いじゃないかと思います。
ひまな、老人いっぱいいるでしょう。
ただ、安心できる老人、安全な老人は、見極めが難しいですが。
コミさん、コメントありがとうございます!
私も九州の片田舎出身なので、近所の結びつきが強いので、近所ぐるみで育てる感覚、良く分かります。私も近所のお家で育った感じですし(笑)
ただ、東京に引っ越してみると、隣人とのかかわりはほとんどなく、最初は寂しく感じましたが、今はこのドライな感じに居心地のよさすら感じてしまっています…
近所とつながりがない人のために、サポートする側・される側をマッチングするファミリーサポートという制度もありますが、昼間中預けるのは金銭的にもちょっと難しそうな気がしますし…何か良い方法があればよいのですが。。