「厚生労働省は2017年1月11日、家庭に支障が出ないようにする正社員の転勤のあり方を考える研究会を開いた」という素敵なニュースを見つけましたので、今日は共働きの転勤について考えてみたいと思います。
学生時代に就職先を選ぶ時、結婚相手を選ぶ時に「転勤の有無」とかは全く気にしていませんでした。
しかし、企業によっては3年おきくらいに転勤というのが基本になっており、転勤を重ねながらいろいろな経験を積み、出世していくことを会社に入って知り、この転勤制度が共働きを続けたい夫婦には、かなりの障害となることに気づきました。(遅すぎっ)
1. 夫が転勤になったら
夫が転勤になったら、どのような対応方法があるのでしょうか?
分かりやすいように、例の多い夫が転勤という例で書いていますが、妻が転勤というケースも同様です。
①妻が会社を辞めてついていく
②単身赴任する
③妻の会社が全国区の場合、夫の異動先へ転勤させてもらう
④妻が休職してついていく(妻の会社に休職制度がある場合のみ)
⑤お互いの中間地点に住む(二人とも2時間通勤etc)
③が叶うような会社であればよいですが、通常の場合難しいですよね。社内結婚の場合は、比較的配偶者の異動もあわせて考えてくれるケースが多いようですが、異なる会社の場合、なかなか都合よく異動することは難しいです。
また、最近は大企業を中心に④の休職制度ができてきました。特に配偶者の海外赴任の場合、3年を限度として帯同するための休職制度が設けられている会社もあります。
④で海外赴任の場合は特に、妻も海外で暮らし語学を勉強するチャンスとなるし、子どもも年齢によりますが、貴重な海外での生活体験になるので、なかなか魅力的な選択肢ですね!
2. 単身赴任は祖父母など育児を助けてくれる人がいないと大変
5つもの選択肢を紹介しましたが、妻がそのような恵まれた会社に勤めているケースは少ないため、通常は、「①会社を辞めてついていく」か「②単身赴任」という二択を迫られます。
会社を辞めてついていく場合、転勤先で正社員として再就職するのは看護師、薬剤師、介護士などを除いては難しいため、専業主婦になるか、働いても非正規にならざるを得ません。
企業としても3年でまたいなくなる人を正社員としてはなかなか採用してくれませんよね。
我が家の旦那も転勤族、私も転勤ありの会社に勤めています。そのため、我が家もDINKS時代~長男赤ちゃん時代に転勤辞令が下りてしまい、夫が単身赴任するという選択をとりました。
私自身が正社員の会社を辞めたら、同じように正社員で再就職することが難しく、また車の運転もできないのに、車生活が必須な夫の赴任先について行き、自動車運転の練習から始めるというまでの覚悟がなかったからです。
DINKS時代は、単身赴任も特段の不便を感じず、夫も週末で余裕があれば、東京に戻ってきていたので遠距離恋愛カップルのような感じでした。
しかし、長男が産まれてから状況は一変。近所に頼れる祖父母もいないため、インフルエンザで自分が40度熱があっても一人で子どもにご飯を食べさせたり、育休から復職してからは子どもが病気がちで保育園からのお迎えコールなども一人でこなさなければならず、一時はあまりにも周りに迷惑をかけたので、仕事を辞めようか悩みました。
祖父母など、夫の他に頼れる人がいない場合の、夫の単身赴任というのは小さい子どもがいるうちはかなり大変でした。
じゃ、子どもが大きくなったらいいのか?と言うと、やはり父親と離れて長い間暮らすというのはできるだけ避けたいものですね。
3. 正社員も転勤に配慮?
「転勤辞令が出たらどうしよう…」と毎年その時期はドキドキしながら過ごしていましたが、先日記事でそのような共働き夫婦への朗報を見つけました。
日本経済新聞
厚生労働省は11日、家庭に支障が出ないようにする正社員の転勤のあり方を考える研究会を開いた。3月末までに対策をまとめる。厚労省は企業の労務管理などに生かしてもらう考えだが、法的な強制力はない。
最近では勤務地を限定して正社員を募集する企業も増えているが、いまだに転勤の可能性がある場合が多い。研究会の対策には転勤の際に、育児や介護といった家庭環境に配慮するよう企業に求めるねらいがある。
もちろん、総合職の給料をもらっていて、誰かが行かなければならない転勤において、独身の方だけに行ってもらうなど不公平にならない配慮は必要だと思います。
しかしながら、総合職なら転居転勤は当たり前、「その分高い給料をもらっているのだから」という価値観、本人の希望は特に聞かず転勤をその会社への忠誠心と見なす考え方は、育児・介護を背負う人々の無意味な離職を招いてしまうでしょう。
具体的にどのような対策が出てくるのはまだ分かっていませんが、例えば「キリンビール」のように、社員の事情に合わせ、最大5年間、転勤の対象とならない時期を作ることができる制度などが増えてくるといいなと思っています。
そんな制度ができたら、どのタイミングで5年間の切り札を使うか、子どもが小さい頃にするのか、親が介護が必要な時までとっておくのか、それはそれで悩みますね。
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